コラム

自殺があった物件の相続と売却について
自殺があった物件を相続し、売却することは可能です。ただし、通常の相続不動産と比べて、相続手続きや告知、売却方法の選択をより丁寧に進める必要があります。

まず行うべき相続手続き
まず行うべきなのは、遺言の有無の確認から始まり、相続人の確定、遺産分割協議、そして相続登記です。なお、相続登記は2024年4月1日から義務化されており、不動産を相続したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。
物件の現況確認が重要
次に重要なのが、物件の現況確認です。自殺後に長期間放置されていた場合には、特殊清掃や消臭、残置物の撤去、原状回復が必要かどうかを確認します。売却にあたっては、室内の状態や近隣への影響を把握し、どこまで手を入れるべきかを見極めることが大切です。
売却時の最大のポイント「告知義務」
売却時の最大の注意点は、告知義務にあります。国土交通省のガイドラインでは、自殺・殺人・事故死・死因不明といった事案は、買主の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項とされています。賃貸ではおおむね3年が一つの目安とされていますが、売買においてはこの「3年ルール」がそのまま適用されるわけではありません。買主から質問があった場合や、近隣で広く知られている場合などは、経過年数にかかわらず告知が必要となることがあります。
売却方法は主に2つ

売却方法は主に二つに分けられます。
一つは、清掃や補修を行ったうえで一般仲介により売却する方法です。立地が良く、室内の損傷や心理的影響が比較的軽い場合には、この方法が有利になることがあります。
もう一つは、現況のまま事故物件や訳あり不動産を扱う買取業者へ売却する方法です。臭気や汚損が強い場合や、近隣への影響が大きい場合には、買取の方が早く安全に進めやすいケースもあります。
税制面のポイント
また、一定の要件を満たす空き家であれば、「相続した居住用家屋の売却における譲渡所得の3,000万円特別控除」が適用できる可能性もあります。税務面についても、事前に確認しておくことが重要です。
売却までの流れ

売却成功までの流れを整理すると、
「相続登記 → 現況確認 → 告知内容の整理 → 売却方法の選定」となります。
まとめ
事実を隠して高く売ろうとするよりも、状況を正確に整理し、物件に合った買主層へ適切に売り出すことが、結果として安全かつスムーズな売却につながります。



