コラム
訳あり不動産とは
訳あり不動産とは、買主が購入をためらう事情を抱えた不動産のことを指します。
一般に売り出されている通常の不動産と比べると、査定額や売却価格が下がりやすく、内容によっては大きく減額されることもあります。
主な訳あり不動産の種類
代表的な訳あり不動産には、次のようなものがあります。
- 事故物件
- 再建築不可物件
- 境界未確定物件
- 共有持分
- 借地権付き物件
- 旗竿地
- ゴミ屋敷物件
こうした物件には全国共通の定価表があるわけではありませんが、実務上は「物件の種類」「立地」「融資の可否」「問題を解消できるかどうか」によって、ある程度の相場が見えてきます。
減額相場の目安
国土交通省や国税庁、公表されている実務資料などを踏まえると、訳あり不動産の減額相場は以下の通りです。
- 軽度の問題:5〜15%程度
- 中程度の問題:15〜30%程度
- 重い案件:30〜50%以上
種類別の減額目安
■ 事故物件(心理的瑕疵)
事故物件のような心理的瑕疵がある不動産は、内容によって差が大きいものの、一般的には10〜30%程度の減額が目安です。
社会的影響が大きい事案や、買主の心理的抵抗が強いケースでは、30〜50%を超えることもあります。
■ 再建築不可物件
再建築不可物件は、建て替えができず、住宅ローンも利用しにくいため、買主が限定されやすいのが特徴です。
そのため、通常物件と比較して20〜50%程度の減額で取引されることが多くなります。
■ 境界未確定・越境物件
境界未確定や越境のある物件は、軽微で解消可能であれば5〜10%程度の減額で済む場合もあります。
一方で、隣地トラブルがある場合や是正が難しい場合には、20%前後下がることもあります。
■ 共有持分
共有持分のみの売却は、単独で自由に処分しにくく流通性が低いため、全体価格の30〜50%以下になるケースも少なくありません。
■ 旗竿地
旗竿地は重大な瑕疵物件とは異なりますが、整形地と比べると価格は下がる傾向があります。
通路部分が長い、間口が狭い、車の出し入れがしにくい、建物配置に制限が出やすいといった理由から、
- 整形地比で5〜15%程度
- 条件が悪い場合は15〜20%以上
の減額になることがあります。
■ ゴミ屋敷物件
ゴミ屋敷物件は、残置物、悪臭、害虫、建物劣化、近隣トラブルなどが重なりやすく、買主から強く敬遠される傾向があります。
片付けだけで再流通できるレベルであれば10〜20%程度で収まることもありますが、臭気や傷みが深刻な場合は20〜40%以上の減額になることもあります。
訳あり不動産を売却する際の考え方
訳あり不動産は、一律に安くなるわけではありません。
価格は「問題の重さ」と「解消できるかどうか」で決まります。
適切な調査、正確な告知、販売方法の選択によっては、条件よく売却できる可能性も十分あります。
大切なのは、高く見せることではなく、問題点を正確に整理し、買主が判断しやすい状態で売り出すことです。



