コラム

2026年05月17日

放置すると売れにくい?ゴミ屋敷物件の売却方法

ゴミ屋敷物件とは?

ゴミ屋敷物件とは、建物内外に大量の生活ごみや不要物が堆積し、悪臭・害虫・火災・崩落・通行障害・景観悪化などを引き起こしうる状態の不動産を指します。

環境省は、こうした事案について全国の自治体が生活環境の保全や公衆衛生の観点から対応していると整理しており、実際の事例では、敷地内が廃棄物でほぼ埋まり、市道にはみ出し、近隣住民の生活に影響が出ているケースも示しています。


ゴミ屋敷物件が抱える問題点

この種の物件の特徴は、単に「散らかっている」では終わらない点です。

① 建物の不具合が隠れやすい

室内確認が難しく、以下のような問題が見えにくくなります。

  • 雨漏り
  • シロアリ被害
  • 腐朽
  • 漏水
  • 設備故障
  • 床抜け
  • 害獣侵入

など、本体の不具合が隠れやすくなります。

② 内覧印象が極端に悪化する

臭気や虫害の影響で内覧印象が極端に悪くなり、一般個人の購入検討から外れやすくなります。

③ 行政指導の対象になる可能性がある

空き家化して放置が進むと、改正空家法上の管理不全空家や特定空家に近づき、自治体から指導・勧告の対象になりえます。

勧告を受けると、敷地の固定資産税等の住宅用地特例が外れることがあります。


なぜ売却が難しくなるのか?

売却が難しくなる理由は、買主が「片付け費用」だけでなく、見えない修繕費・残置物処分・近隣対応・再販時の不利まで織り込むからです。

さらに、媒介時には、知っている不具合や修繕歴を曖昧にすると後で紛争になりやすく、不動産流通推進センターも、無用なトラブル防止のため修繕内容等を物件状況報告書に記載し説明することが重要としています。

ゴミ屋敷物件では、建物不具合や残置物の範囲が通常より広くなりやすいため、現状の正確な開示が特に重要です。


ゴミ屋敷物件の主な売却方法

1.片付け後に仲介で売る

立地が良く、建物もまだ使えるなら最も高値を狙いやすい方法です。

環境省調査でも、改善に結びついた支援として、

  • 訪問介護
  • 民間団体のごみ出し支援
  • 地域包括支援センター
  • 社会福祉協議会
  • 有償ボランティア
  • 片付け費用給付制度

など、多機関連携の例が挙がっています。

成功しやすいのは、いきなり売却活動に入るより、

残置物撤去 → 消臭・害虫対策 → 建物点検 → 価格設定

の順に進めるケースです。


2.現状のまま買取してもらう

現状のまま不動産会社や投資家に買い取ってもらう方法です。

価格は仲介より下がりやすい一方、片付けや修繕の手間を大きく減らせます。

例えば、

  • 相続人が遠方にいる
  • 室内が危険で片付け困難
  • 近隣苦情が強い

といった案件では、この方法が現実的です。

国交省の空き家対策資料でも、法律・不動産・解体・遺品整理などの専門家が連携して、内部動産処分や空き家処分をワンストップで進める体制づくりが有効とされています。


3.解体して土地で売る

建物を解体して土地として売却する方法です。

建物価値がほぼなく、臭気や汚損が激しい場合は有力です。

ただし、解体後は住宅用地特例が外れて税額が上がる場合があるため、解体時期と売却時期は慎重に組む必要があります。

もっとも、自治体によっては除却後の税負担軽減措置を設けている例もあります。


ゴミ屋敷物件を売却するコツ

成功事例に共通するのは、根性論で片付けることではなく、福祉・行政・処分・不動産売却を切り分けて進めることです。

環境省調査でも、行政措置は「調査」「助言・指導」「支援」が中心で、単純な処罰より支援と段階的介入が多く用いられています。

つまり、売却成功のコツは、

「恥ずかしいから隠す」のではなく、状態を見える化し、片付ける部分と現況売却する部分を早く決めることです。

ゴミ屋敷は放置すると家より先に近所の空気が売れなくなります。

そこはもう、不動産というより鼻との戦いです。

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